佐藤道代

大地の詩 2009年 copyright  paulo fukuchi

佐藤道代

舞踊家、舞踊・英語教師/ イサドラ・ダンカン国際学校日本大使

メッセージ:

福島の親戚が、原発から60キロ圏内の伊達市におり、心配で呼び寄せようとしたり、情報や物資を送ったりの日々が過ぎていました。被災しながらも、それぞれの役割を全うし、農家、教師や看護師として地域を支えている人々の努力に、心から敬服しています。

そして、公演を続けていらっしゃる全てのダンサー、日常を取り戻し心の平和に向けて努力をしているすべての方々にも、心からエールを送っています。
皆、人々の心を強くする仕事をして下さっています。
9.11の事を、思い出しました。
あの時、大英博物館で、攻撃があるかもしれないと中止にするか迷ったけれど、10日後にコンサートやワーク・ショップをやり、トロント・カナダでも公演してNYに行ったことを。私の師も被災地NYからすぐに飛び立ち、最後までプロジェクトを遂行したことを。

お客様も沢山来てくださって、皆、劇場で涙を流し、共に踊り、その場を共有して、人々が団結することの強さを感じました。
共に悲しみ、痛みを分かち合い、これからの新しい創造のために皆で頑張っていこうという意識を確認できたこと、私にとって、「アートの存在意義」を感じる原点でした。
衣食住と関係ないことをしていて、良いのか、と自問自答していたものですから・・・

あの時ほど、「アートが私たちの心を正直に伝え、トラウマを流し、強くする」という真実を強烈に感じたことはありませんでした。
アートが与えることのできる心の支えは、衣食住が整い、そのあとに必ず必要になりますね。
その中で出来る限りの事をして、お手伝いさせていただければと思います。

こんなことが出来る、こんなことをしたい。:


「人々と共に踊り、犠牲者の死を悼み、街や山河の再生を祈ること。
余計な不安を身体から追い払い、本来の自分の強さを思い出し、共に世界を創造する力を身体に蓄えること。」

具体案:

1. 作品の上演

以下の作品は、喪失を乗り越え、生きる事を称えた作品です。私自身のそのような経験から創ったものと、100年前のイサドラ・ダンカンの作品です。
言うに言えない思いを抱いている方々と共有させていただければ、ありがたいです。

a. 「旅立ち」13分
気仙沼で急死した父の追悼のために3年前創りました。亡くなった人の魂が身体から、永遠の静寂へと旅立っていく時に、生きている私達とのつながりの強さと愛を、離れた千葉で感じた体験を元に創りました。
(6月4日2:00p.m.に東京青山ウィメンズプラザにて「声をあげよう女の会」主催で、震災の犠牲者の追悼の気持ちを表現するために、再演します。)

b.「大地の詩」15分
太陽と月の力を受け、ミミズ・農民の力が耕し、大地が、命を生み出す事を称えた作品です。(写真)

c.イサドラ・ダンカン1917年振付「アヴェマリア」5分 その他イサドラ・ダンカンの作品
第一次世界大戦で子供を失った母親達への救済のメッセージとして創られた作品。イサドラ自身も二人の子供をセーヌ川での車の事故で亡くしてしまい、その悲しみを乗り越えて創った作品です。
そのほか、「ハープ・エチュード」魂が肉体から離れて行く時に遺す愛を描いた作品等沢山あります。
2人でうかがえれば、グループ作品も可能です。

2.お子さんや、大人のためのワークショップ

いずれも、その地域の抱えるニーズをうかがった上で、対象者に合わせてデザインしたいと思いますので、以下は一例です

a. こども と 大人 へ
つながりを感じるワーク
スカーフやロープなどを使って、自分はひとりじゃないという感覚を身体で感じるように導きます。

b. こどもへ
自分の気持ちを身体で表現してもらうワーク
私自身、10代で母を亡くした事がきっかけで、ダンスを始めました。
口では言えないショックを、身体からリリースする事で、前に進む事が出来る事を身を持って知っています。
お子さんたちの気持ちを自由に表現してもらうよう導く、お手伝いを、身体のワークショップで出来ればと思います。

c. 大人、特にお母さんへ
a. ご自分の身体をケアする時間を持って、身体と心を少しでも楽にして頂ければと思います。
身体のケアのワークショップを、整体、ヨガ、ピラテス、呼吸法、観念運動学(イデオキネシス)、等の様々な手法を用いて行います。

可能な時期:

乳児の子育て中なので大きなことは何もできませんが、私が出来ることをさせてください。
子供が1歳半を過ぎる1月31日以前は、日帰り希望です。
駄目な期間:(火曜日、木曜日は定期的に千葉で教えているので、その都度、調整する必要はあります。)
6月1-12日
7月8-11日
8月10-22日
9月17-25日
10月7日-11日
11月19-23日
12月1日-1月30日

1月31日以降は、
もし、子供と共に伺っても現地の皆さまに邪魔にならないように、ベビーシッターを誰かに頼むか、又は、私がもう一人助手を連れていけるようでしたら、宿泊で伺う事も可能かもしれません。

子供の状況によるので、ご相談下さい。
復興支援として、現地の皆さんのニーズを理解し、現地の皆さまと寄り添う方法を、私が出来る範囲で探したいと思います。


これまでの公演以外のアウトリーチ、学校や福祉施設でのワークショップの経験:


教授歴
ニューヨーク公立中学校P.S.106ダンス・インストラクター 、お茶の水YMCAフィットネスクラス、ゲストインストラクター 、 NYモホーク・デイ・キャンプ 教員、 津田塾大学 非常勤
講師、 NY/リセ・ケネディ国際学校 教員、 ニューヨーク大学コール・スポーツ・センター 講師、ブロードウェイ・ミュージカル学院青山 講師、学習院女子大学 非常勤
講師、 MSTERIO 子供英語キャンプ、PAS
ダンスの学校 読売日本テレビ文化センター講師
現在は、千葉のイサドラ・ダンカン国際学校、水芭蕉庵(自宅)近辺で教える。

講演、ワークショップ歴
カンザス市ミズーリ大学日本祭「日本のモダン・ダンス」 1998.9.15
セントルイス日本祭「日本のモダン・ダンス」 1999.9.5-6
シカゴ女性協会「古代ギリシャと日本のモダン・ダンス」 1999.9.7
ビジョンと行動のNY女性 の会「イサドラ・ダンカン・ダンス」 2000.7.7
ロンドン・インスティチュート、Southwark World Village, Blue Elephant Theater
2000.7
多摩美術大学美術館「イサドラ・ダンカン展」 2000.9-10
津田塾大学百周年記念祭での舞踊 振付 2000.10.8
大英博物館「イサドラ・ダンカンへのオマージュ」 2000.9.21-22
津田塾大学交流館「自然・人間・神話と舞踊」 2001.1-3
アサヒ・アート・フェスティバル「水の流れ」 2002.7.8
全国教育系ワークショップ・フォーラム「クリエイティブ・ムーブメント」
2002.11.2-4
プロセス指向心理学グループ「市川市の神話を動こう」 2003. 2.26
トランスパーソナル心理学精神医学会「イサドラ・ダンカン・ダンス」 2003. 11.30
NY/国連フレンドシップクラブ「日本のモダン・ダンス」 2004.6.9
NYロックランド・コミュニティー・カレッジ「心と扇:日本のモダン・ダンス」
2005.3.28,
淡路島「場づくりワークショップ」 2005. 5.3-5, 2007.5.3-5
自然スクールトエック こどもとお母さん、スタッフのための身体のケア、新年のダンス。2009 1.1
等など

これまでの被災地との関係:

両親の出身地が、福島県伊達市霊山町なので、親族のほとんどが、福島と宮城におり、心の原風景は福島です。
小さい頃東北の雄大な自然に触れたお陰で、自然とのつながりを身体で表現するイサドラ・ダンカンのダンスを後に始める事になりました。
東北の自然のお陰で、見つけたライフワーク・ダンスです。何か恩返しできればと思っております。

略歴、リンクなど:

モダンダンスに日本の身体言語を融合し、元型的身体言語を追求する舞踊家。
津田塾大学卒業後ロータリー財団奨学金にて留学したニューヨーク大学より修士号及び舞踊教育学科長賞を受賞。自作を日本(EXPO2005)、米国(国連)、英国(大英博物館)等、各地で公演。NYタイムズ紙に「スタイル・内容ともに洗練された作風」と評される。1998年ミュージカル「王様と私」出演。2004年NYジョイス・ソーホーで、日本女性に関する自作品の公演を行い連日満席となる。2003年、2004年舞踊批評家協会新人賞ノミネート。2005年Die
Pratze観客賞受賞。2007年エッセイ「イサドラ・ダンカンの舞踊理論とスピリチュアリティー」を、「スピリチュアリティーとは何か」(ナカニシヤ出版)内にて出版。

http://blog.sq-life.jp/sato/
http://home.att.ne.jp/alpha/idance/