セレノグラフィカ








セレノグラフィカ
(隅地茉歩:すみじまほ〈女〉、阿比留修一:あびるしゅういち〈男〉)

ダンスアーティスト

メッセージ:


身近な人の死はどんな場合も受け入れ難いものだと思います。なぜそれをふだんは受け入れていくのかというと、手続きを経るからなのでしょう。父母を亡くした時にそう思いました。亡きがらをこの目で見、ささやかにでも葬式を出し、火葬場の釜に入れられる直前の最後の顔を確認した時に、父母の人生の閉じ目をいやおうなく引き受けた感じがしたからです。自分の家族がある日突然自分の前から姿を消してそのままになるということを超える理不尽があると私は思えません。それがまだ幼いお子さんの身の上に起こればなおさらです。報道番組で、今回この震災でご両親を亡くされた子どもさんが100人を超えると知りました。記憶に新しいので書かせて頂きますが、その子どもさんたちの心に起きている現実は、身体にも影響しているのではないかと思います。今一番欲しいもの、一番願っていることではないかもしれませんが、身体を使って、こういうこともあるよ、と伝えてみたいです。これまで、たくさんの保育所や幼稚園、小学校で出会った子どもたちが見せてくれた笑顔に近い表情が浮かぶことに繋がることを切望しています。今回の震災は、原発の問題もあって人災と捉えざるを得ない面も大きいことはご存知の通りです。人間が身の丈を忘れて作り出してしまったことから受けたあまりにも大きな傷を癒していくことについて、身体を根本に据えた発想と粘り強さが何かを担わなければいけないと痛感しています。それはお医者さんともセラピストとも異なる視点で身体と付き合っているダンサーの責務だと考えています。

こんなことが出来る、こんなことをしたい。:


今、あってはならない出来事を目の前にして、きっと気持ちを強く持たれて毎日を元気にすごそう、としている方ばかりだと思います。それは気持ちだけではなく身体も頑張っているはずだと思います。知らないうちに身体にも疲れがたまっているはず。そんな身体や心を元気にしたい。
子供も大人もみんな誰にでもある身体。その大切さをダンスを通じて伝えることができれはと思います。

そこで私たちが出来ること。幼稚園、保育所から小中高校などの教育機関への出前授業、障がい者施設や高齢者、福祉施設へのワークショップ。私たちのダンスを皆さんに見ていただくこと。また共に踊ること。身体を伸ばしたりさすったり、簡単な体操やストレッチをいっしょにすること。
こんなときこそ身体を通してのコミュニケーションを通じて人の身体や心を大切にしましょう。そして自身の身体と心に栄養を与えてあげましょう。まだ見ぬ新しい未来を作っていくために。


可能な時期:
9月9日~11日、16日~19日、23日~25日
10月1日~6日、10月26日~30日
11月1日~6日、11日~13日、25日~27日
12月1日~11日、16日~18日、23日~28日
1月2月3月全般。

これまでの公演以外のアウトリーチ、学校や福祉施設でのワークショップの経験:


平成19年以降現在まで、公共ホール現代ダンス活性化事業や他の事業において、下記の保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校、福祉施設などにアウトリーチに出かけました。

〈幼稚園、保育所〉
たちばな保育園、中京もえぎ幼稚園、京極幼稚園、養正保育所、開智幼稚園、聚楽保育所、藤城児童館(以上京都府京都市)、石和第3保育所、御坂北保育所(以上山梨県石和市)、みどりが丘保育園、中央保育園(以上長野県茅野市)

〈小学校〉
帯解小学校、六郷小学校(以上奈良県奈良市)、桜尾小学校、高富小学校、富波小学校、富岡小学校、伊自良北小学校、いわ桜小学校、梅原小学校、伊自良南小学校(以上岐阜県山県市)、陵南小学校(岐阜県各務原市)、富田林小学校、川西小学校、久野喜台小学校(以上大阪府富田林市)、三日市小学校(大阪府河内長野市)、南平台小学校(大阪府高槻市)、こうべ小学校(兵庫県神戸市)、三国北小学校、三国南小学校、三国西小学校、雄島小学校、加戸小学校(以上福井県坂井市)、鷹栖小学校、北野小学校(以上北海道鷹栖町)、風連下多寄小学校、豊西小学校(以上北海道名寄市)、石和東小学校、石和南小学校(以上山梨県石和市)、安朱小学校、美濃山小学校(以上京都府京都市)

〈中学校、高校〉
鷹栖中学校、鷹栖高校(以上北海道上川郡鷹栖町)、灯明寺中学校(福井県福井市)港南中学校(兵庫県神戸市)、名寄市立大学(北海道名寄市)

〈福祉施設等〉
大阪府国際障害者交流センタービッグアイ(大阪府堺市)、東淀川区老人福祉センター(大阪府大阪市)、北山学園、聖徳園(兵庫県西宮市)

これまでの被災地との関係:

2002年の12月にJCDNの「踊りに行くぜ!!」で、仙台公演に出演させて頂きました。

略歴・リンク:

【セレノグラフィカ】
男女一組。身体を駆使して七変化。
1997年結成。「かかとのない男」の異名を取る阿比留修一と「踊るぬいぐるみ」とあだ名される隅地茉歩が、独特の〈間〉と〈呼吸〉を醸し出すダンスユニット。多世代の観客に親しまれ、多様な解釈を誘発する作風。ここ数年は、デュエットの枠を超えながら国内外で印象的なステージを披露。また年齢や経験に関わらず、ダンスを楽しむことのできるナビゲートによって、アウトリーチ活動にも意欲的に取り組んでいる。代表の隅地が財団法人地域創造「公共ホール現代ダンス活性化事業」平成19・20年度、ならびに平成21・22年度登録アーティスト。
公式ホームページ:http://selenographica.net/
公式ブログ:読むセレノグラフィカ「折々の月」
E-mail:info@selenographica.net

【隅地茉歩(すみじ まほ / 振付家・ダンサー)】
成人後踊り始める。日本古典文学の研究者としての学究の道半ばにして突如ダンスに開眼。関西を拠点に国内外でダンサーとしての研鑽を積み、97年阿比留修一とセレノグラフィカを結成、代表として現在に至る。繊細な作品創りと緻密な身体操作が持ち味。デュエット作品の創作を基軸に、ソロ作品やグループ作品の振付も手がけ、子どものためのダンス鑑賞プログラムにも振付を提供している。また「ダンス」そのものを問い直す自身のソロシリーズ「いちばん奥の棚」も続行中。規格外体型、規格外テクニックによるワンダームーブメントは、“踊るぬいぐるみ”とも称されている。TOYOTA CHOREOGRAPHY AWARD 2005にて「次代を担う振付家賞」受賞。

【阿比留 修一(あびる しゅういち / ダンサー)】
即興王、ダンスの職人、かかとのない男などの異名を持つ、 関西を代表する男性舞踊手。卓越したテクニックを基に、踊って踊って踊り倒すそのダンススタイルは、多くのダンスファンの 共感を呼んでいる。97年隅地茉歩とセレノグラフィカを結成、以後、全デュエット作品及びグループ作品に出演。近年ソロ活動にも力を入れ、08年、小野寺 修二(デラシネラ主宰)作品「Xのフーガ」にパフォーマーとして出演、神戸アートビレッジセンターで初演ののちデラシネラのメンバーとして欧州ツアーに参加。また、09年には新作ソロ「どうしようもないワタクシが踊っている2」を発表、好評を博す。「紙のように舞う」を旨とする。 平成8年度大阪府芸術劇場奨励新人。